「口内炎について」
口内炎ができてしまい、食事をするときや歯磨きをするときにとても痛くて困る。そのような経験はありませんか?口内炎は、口の中やその周辺の粘膜におこる炎症の総称です。頬っぺたの内側にできることが多いですが、唇にできるものは「口唇炎」、口角にできるものは「口角炎」、舌にできるものは「舌炎」と呼ばれ、お口の中の広い範囲で発生します。また、一つだけできることもあれば、何個もできてしまったり、同じところにできたり、その症状はさまざまです。
口内炎の原因は、はっきりしない場合が多いですが、口の中を傷つけてしまうなどの物理的刺激、ウイルスなどによる感染など様々です。他の病気の一症状として起こる場合もあるので、長引く場合は注意が必要です。
★口内炎の種類
①アフタ性口内炎
一般的にもっとも多くみられる、表面が白く、大きさが2~10㎜ほどの浅い潰瘍性の円形に近い形をした口内炎です。境界は比較的はっきりとしています。少し触れただけでも鋭い痛みを感じます。治療を行えば1~2週間程度で治りますが、それ以上経過しても治らない場合や、治るけど何度も再発してしまう場合は、他の病気が関係したりしている可能性があるため注意が必要です。
②カタル性口内炎
入れ歯や銀歯が接触したり、ほおの内側を噛んでしまったりしたときの細菌の繁殖、熱湯や薬品の刺激などが原因で起こる口内炎です。アフタ性とは異なり、境界があまりはっきりしていなくて、口の中が熱く感じたり、すっぱいものや辛いものがしみることもあります。
③ウイルス性口内炎
ウイルスが原因で起こる口内炎もあります。ヘルペスウイルスの感染が原因の「ヘルペス性口内炎(口唇へルペス)」は、主に唾液などの接触感染や飛沫感染によって感染します。またカビ(真菌)の一種であるカンジダ菌は、もともと口の中に存在する常在菌のひとつですが、免疫力が低下したりすると増殖し、「カンジダ性口内炎」を発症することがあります。
★口内炎が長引く場合は?
口内炎の症状があまりにも痛いと食事をするのも難しくなります。つらいと感じたら早めに歯医者を受診してください。また、口内炎がなかなか治らない場合は、全身疾患による免疫低下や口腔がんなど、重大な病気が隠れている可能性があります。口内炎だと決めつけて放置し、問題が進行してしまったというようなケースもあります。「たかが口内炎」と決めつけず、なかなか治らない場合は、早めにご来院してください。