「CAD/CAM冠について」
みなさんのお口のなかに銀歯はありますでしょうか?数年前までは虫歯治療は銀歯が主流でした。日本で多く使われている銀歯は金・銀・パラジウムなどの金属をかけ合わせた「金銀パラジウム合金」と呼ばれる金属です。加工しやすいため保険治療で使われており、何らかの形で口の中に銀歯が残っている成人は全体の7~8割を占めると言われています。
しかし、欧米ではセラミックの治療が一般的であり、銀歯はほとんど使用されていません。日本でもセラミックの治療は行われていますが、自由診療となります。最近では、CAD/CAM冠(キャドキャム冠)という歯科用レジン(樹脂)にセラミックの粉末を混ぜて作ったブロックを、削り出して作る白い素材の被せ物があります。CAD/CAM冠(被せ物)は2024年の健康保険の改訂により、条件付きで全ての部位の歯が適用になりました。
★CAD/CAM冠のメリット
●価格
健康保険が適用になるため、比較的安価です。
●白い被せ物ができる
以前は銀歯しか認められていなかった歯を健康保険で白く被せることができます。
★CAD/CAM冠のデメリット
●強度が銀歯より劣る
被せ物の厚みが十分に取れない場合や、咬む力が強いまたは歯ぎしりをする場合などは冠が割れてしまうことがあります。
●銀歯より外れやすいことがある
歯の高さが十分にない場合には、外れてしまうことがあります。
●歯の色が変化することがある
経年劣化で徐々に歯の光沢が失われて色が変化してしまうことがあります。
★被せ物の特徴をよく理解して選択することが大切です
歯の被せ物は、金属(銀歯や金歯)、CAD/CAM冠、セラミック冠に大きく分けることができます。それぞれの治療法にはメリットデメリットがあります。十分にそのことを理解して患者さんに選んでいただくのが一番望ましいと思います。
歯の被せ物はどうすればよいだろうかとお悩みの方は、是非ご相談ください。