★酸蝕歯とは?
私たちの歯は、食べ物や飲み物に含まれる酸に長時間触れ続けると、歯が溶けだしてしまいます。
歯を覆っているエナメル質は、体のなかで最も固い組織ですが、強い酸に触れると溶けてしまいます。エナメル質が溶けると、その下にある象牙質が露出します。象牙質は柔らかいので、歯と歯が強く擦れると磨り減っていきます。また着色しやすくなります。こうした状態を放置していると、虫歯になりやすくなったり、冷たいものが滲みる知覚過敏になりやすかったりします。現在このような酸蝕歯の罹患率は国民のおよそ4人に1人もいると言われています。
★酸蝕歯は夏こそ気をつけよう
歯のエナメル質は、pH5.5以下で溶け始めます。普段よく口にする飲み物のpHの数値を以下に示しました。ミネラルウォーターのpH7が中性です。
・水道水 pH7.5
・ミネラルウォーター pH7.0
・牛乳 pH6.8
・緑茶 pH6.3
・缶コーヒー pH6.2
・紅茶 pH5.5
・オレンジジュース pH4.1
・りんごジュース pH3.6
・ヤクルト pH3.5
・スポーツドリンク pH3.5
・黒酢ドリンク pH3.1
・コーラ pH2.2
通常は唾液の自浄作用が働いているため、pHの低い飲み物を飲んでも、すぐにはむし歯にはなるわけではありません。唾液には、歯の汚れを洗い流す働きと、酸を中和する働き、そして溶けた歯の再石灰化を促進する働きがあるからです。
しかし、長い時間をかけてちびちび甘い飲み物を飲み続けると、お口の中が酸性環境に長くさらされ、唾液による再石灰化の時間が短くなって、酸蝕歯になるリスクが高くなります。
夏は、スポーツ後の水分補給にスポーツドリンクを飲む機会が多くなります。また、健康意識の高い人で「ビタミンドリンク」や「酢ドリンク」をよく飲む方も要注意です。
ジュースやスポーツドリンクなどpHの低いものを長い時間をかけて少しずつ飲むことを頻繁に行うのは、歯が溶けやすくなるのでので気を付けましょう。